原料等輸送

コークス積込運搬

製鉄所のコークス炉で石炭から作られたコークスは、通常、鉄鉱石とともに高炉に装入されて熱源、還元剤の役割を果たします。高炉装入に不向きな粉状になったコークスや、所外に出荷するコークスもあり、これらは一時的にホッパーやヤードに保管されます。陣上工業は粉コークスのホッパーからの切り出しと焼結工場等への運搬、出荷用コークス等の自社保有大型篩分け機による篩分け・粒度管理、ヤード・バース間の運搬等を行っています。

浜出し作業

コークス、型銑、スラグ等、鉄鋼製品以外についても所外へ出荷することがあり、これらは、所定の保管ヤードからそれぞれの出荷バースまで運搬後、船積みされます。陣上工業はダンプ等による運搬、ならびに水砕スラグについては船積みまでの一貫作業を行っています。

灰・ダスト運搬作業

高炉をはじめ製鉄所内の各工場では、操業により灰やダスト(煤)が発生します。これらは環境対策のためそれぞれ大型集塵機等で回収され、リサイクル処理を経て再利用されます。陣上工業は、タンク車等を使ってこれらに関わる運搬を行っています。

スケール積込み・運搬作業

鉄鋼製品を1トン作るためには約130トンもの水が使用されますが、その90%は循環再利用されます。
製造過程で鉄を冷やすために使われる水は、直接熱片の表面に接触するため、回収時にスケール(細かく剥がれた鉄)や油分を含みます。また、集塵装置から回収する集塵水も不純物を多く含むため、それぞれ排水ピット等に溜めてから、処理設備を経て再利用されます。陣上工業は、クレーン、ダンプを使って各工場排水ピットからのスケール揚げ、運搬等を行っています。水はもちろん、スケールも乾燥後に再利用されます。

スクラップ運搬作業

棒鋼工場、線材工場などで発生する端末屑をはじめ、製鉄所内で発生するスクラップも、製鋼工場の転炉に装入する等で、ほぼ100%再活用されます。各工場で鋼鉄製のスクラップバックに集められたものは、バックごと陣上工業のラガー車(左の写真)や、トラックで一次保管のため、スクラップヤードに運搬されます。

ガスドレン排出点検・回収、廃油回収運搬作業

ガスドレン排出点検・回収作業:
製鉄所内に張り巡らされた副生ガス配管には、350箇所以上のガスドレン設備があります。これらに異常が起きた場合は、重大なガストラブルを発生させる危険があるため、日々の点検・処置は欠かせません。陣上工業はこれらのガスドレン及び関連設備を点検して異常の有無を確認するとともに、順次バキューム車によるガスドレン回収を行っています。

廃油回収運搬作業:
製鉄所各工場、排水溝、および協力会社・進出企業事業所等で発生する含水廃油、固形廃油等について、依頼に応じてバキューム車で回収し、所定の処理場所まで運搬します。

その他運搬作業

上記以外にも、構内の発電所で必要な水酸化マグネシュウム、鋼材サンプル試験片、塵芥の運搬、鋼材の酸洗処理によって発生する水酸化鉄の抜き取り・運搬を行っています。

以上の原料系の運搬について、コークス、スラグ、スクラップ等は「ばらもの運搬」、灰・ダスト、スケール、ガスドレン、廃油等は「回収運搬(いわゆる静脈物流)」と呼ばれています。
このように、陣上工業は鉄鋼製品の他にも、製鉄所内で発生するあらゆるモノの運搬について、機動力を発揮し、きめ細かな対応を行っています。